尼崎の池田司法書士事務所 代表の池田です。

残暑厳しい日々が続いています。

まだまだ熱中症にはご注意下さい。

 

さて今回のお話は【契約上の地位の移転】です。

 契約上の地位の移転とは、例えば売買契約の買主の地位を別の第三者に移転することです。

 土地の売買を例にすると、売主株式会社Aが株式会社Bと売買契約を締結したとします。

(代金完済の時に所有権が移転する旨の移転の時期に関する特約もある契約)

 諸事情により、買主を別の第三者に変更したい場合などがあります。

売買契約を締結した売主:株式会社A、買主:株式会社Bから、買主を株式会社Cに変更できるの??というテーマです。

 答えは、「できます」

 売買契約を締結した株式会社Bから、株式会社Cへ変更したいときには、「契約上の買主の地位を譲渡」することになります。

 契約というのは、上記の売買契約の場合、買主の権利として土地を譲り受けるという債権がありますが、売主に対して、売買代金を支払うという債務も負うことになります。

1つの契約には、色々な権利義務が一緒についてくるのです。

その権利義務もまるまる譲渡するのが、【契約上の地位の移転】です。

 この契約上の地位の移転をする場合、株式会社Bと株式会社Cの合意だけでなく、売主株式会社Aの承諾も必要です。

 売主株式会社Aは、株式会社Bだから土地を売却したのに、株式会社Aの知らないうちに株式会社Cが買主になっていたら、びっくりしてしまいます。

 取引の信頼を保護する必要があるわけです。

 中間省略登記にあたるのでは?と考えられますが、

上記の事例では、AB間の売買契約がなされ、代金完済のときに所有権が移転する旨の移転の時期に関する特約もあり、所有権はAに留保された状態での譲渡契約なので、CはAB間の売買契約の特約の効果として不動産の所有権を直接取得し、中間省略登記にはあたりません。